【首相案件】愛想は尽きるものじゃなく、尽かされるものなんだ

夏にも「無尽愛想」新薬が認可される見通し

イメージキャラクター「むじんちゃん」
※厚生労働府公認キャラクター「むじんちゃん」

失われた10年とも20年ともいわれる時代が終わろうとしている。
永く続いた不況の影響で、この20余年に破綻した愛想がどのくらいになるか、
見当もつかない。

厚生労働府の調べによれば、我がクニでは年間で365億の愛想が尽きているという。
ある研究によれば失業率と愛想の枯渇は強く相関していると言われており、
これまで政府も失業率の低下に努力してきた。

民間では「愛想マイニング商法」と称した大々的な詐欺事件が起きるなど、
大きな話題となった。

「無尽愛想」薬の起源

そもそも無尽愛想薬は某国の国家直属のエンタメ担当部局「喜ぶ組」が使用したのが始まりだった。
「喜ぶ組」が注目されるかたちで無尽愛想薬の存在が知られる処となった。

某国はこれを好機とみて、外貨獲得のために当該薬を急ピッチで増産。
当然の流れで我がクニでも未認可のまま流入することになった。

当初はサプリメント=食品という名目で脱法的に黙認されてきた。
ただし、非常に高額だったため、有名芸能人や、一部のキャバクラ嬢の間で出回るのみであった。

有名女優の副作用疑惑で薬儀法の統制下に

ある記者会見における某女優の悪態が契機となり、無尽愛想薬が衆目を集めることになった。
会見中にその女優がふてくされた態度をとり、司会者に話題を振られても
「別に」などと不機嫌な態度を示した。

のちにこれが無尽愛想薬の副作用であることが判明。
事態を重く見た当局は、薬儀法の統制下におくことで取締りを強化する方向へシフト。
民間製薬会社に薬効と副作用の発現を抑えるための開発を促した。

間に合わなかった法規制と蔓延する副作用罹患

しかし、政策が後手に回り、国内への流入から法規制まで時間を要したことで、
駆け込み消費が相次ぎ、不安定な品質のものが、さらに流通することになった。

重篤な副作用として「不気味な仏頂面」「感情と表情の乖離・不一致の常態化」が挙げられる。
あるいは過剰摂取による「常時アへ顔」(それはそれでイイ)なども報告されている。

ブラック企業が従業員への服用を強要

問題の深刻さは労働の現場にも表れている。サービス・接客業界における、ブラック企業最大手のある居酒屋チェーン。
サービスの現場では店舗従業員に当該薬の購買と服用を強要しているという現状だ。
さらに劣悪なのは、給与から薬代が天引きされているという驚くべきシステムだ。

我がクニでは「サービスとは、対価に見合うもの」という考え方が普及していない。
一定の消費者も「愛想の強要」に加担しているといえる。

ツンデレ保護団体の抗議もむなしく

これらの問題に政府の責任を厳しく問う声は相次ぎ、ツンデレ保護団体は連日大規模なデモを行っていた。
しかしながら、政府は
「愛想が尽きることで失われる国益と、ツンデレ優遇による利益とでは、
まことに遺憾ではあるが前者を守らねばならない。これは首相案件ではない。」との異例の声明を公告した。

政府による救済措置

新薬は認可となるものの、政府による積極的なケアとして法整備が進められている。
表情がわかりにくく、着脱の是非を本人のみが決められるマスクを無償で配賦する「ポーカーフェイス制度」や、
「真顔リハビリ助成金」などが新薬の認可に先立って制定されている。

情報筋によれば、支持率低迷に危機感をつのらせる官邸が、
全国民にこの新薬を無料配布する法案を作成する指示を出したとの噂もある。

しかし、身内の与党内からも
「それじゃあ、某国といっしょじゃないか。」
との非難の声が上がっている。


※この記事はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
This is a work of fiction. The characters, incidents and locations portrayed and the names herein are fictitious and any similarity to or identification with the location, name, character or history of any person, product or entity is entirely coincidental and unintentional.

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