働き方改革はやめておけインスパイアードバイロシア★イナガラ紀行

Minanohikoです。

今回のイナガラ紀行はFIFAワールドカップにちなんでロシア

まずはこちらロシア民謡の「ヴォルガの舟歌」をお聴きください。

美しい歌声ですね。聞き惚れてしまいます。

ヴォルガ川は「母なる川」とも称され、水運の命脈であり、農業の血液の役割を果たしてきました。
ゾロアスター教の経典アヴェスターにもその記述がみられ、サンスクリット語の語彙にも痕跡を遺している歴史ある川でもあります。

諸説ありますが民謡ヴォルガの舟歌は労働歌であり、集団で農業や漁労に従事する人々が唄っていたとされます。
リズムを合わせることで作業を効率化したり、力仕事の掛け声になったのでしょう。

 借金が返せないならヴォルガ川へ行くはめになる

とは、よく使われたフレーズです。そこで待っているのは「船曳き」という仕事です。
まだ蒸気機関という動力が無かった時代、船舶を遡行させるには馬や人間の力で曳航するしかありませんでした。
19世紀の初頭に実用化された蒸気船の登場で「船曳き」の仕事もなくなると思われました。

蒸気船の実用化からおよそ70年後に描かれた有名な絵画があります。

イリヤ・レーピン “Бурлаки на Волге” 1870~73年。油彩。131.5cm*281cm。ロシア美術館。

曳航している帆船の向こうに蒸気船が見えますね。
雑な言い方をすれば、蒸気船を運用するより、人手で曳かせたほうが安上がりだったのです。
それくらい低賃金の仕事だったということです。

何時間も、前傾姿勢のまま革のベルトに全体重をかけ、ゾンビのように身体を揺らしてゆっくりと歩く。
当時、レーピンはこの光景に驚いたそうです。

同じ瞬間、ロマノフ王家は贅を極めた生活を送っていました。

民主主義と社会主義、資本主義と共産主義、その優劣はここでは論じないにしても、
歴史的に革命や虐殺という事件は、その大きさはすなはち「反動」の大きさだと感じます。
社会構造のねじれやゆがみが蓄えるエネルギーが物理学で喩えるなら、虚の時間を乗りこて、一定の大きさを持った存在として突然に非線形に事象に露顕する。
それが着火剤の役割を担い集団の感情がインフレーションを起こして拡大していく。

平穏である今日の日本は、そんなインフレーションの助走期間であるかもしれません。

その今日の日本ですが「借金が返せなくなったら待っている社会的な死」はヴォルガの船曳きよりも壮絶な気がします。
働き方改革も大切ですが、国は個人の企業家精神を育てつつ、お金の貸し方改革、借り方改革も同時進行すべきです。
今の「働き方改革」は「勤め方改変」の範疇を超えない気がします。

おまけ:行ってみたいニジニ・ノヴゴロド市

イナガラ紀行らしくない背伸びした内容になってしまいました。

気を取り直してこのヴォルガ川沿いのうつくしい街をひとつ紹介させていただきます。
見出しにも挙げましたニジニ・ノブゴロドという城砦都市です。ちなみに「城砦」のことを「クレムリン」といいます。

18世紀には豪商ストロガノフ家が拠点を置き、彼らが寄進したストロガノフ様式という独特なデザインの建築やイコン・絵画が残っているそうです。
ビーフストロガノフのストロガノフも彼ら一族の名が由来だそうです。

現在、ロシアと国境を接する周辺国は前時代的だとされていた徴兵制を復活させるなど緊張が高まっています。

今回のワールドカップが契機となりロシアを気軽に旅行できる機会が増えるなど、
情勢が良い方向へ向かうことを願ってやみません。


※この記事はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 This is a work of fiction. The characters, incidents and locations portrayed and the names herein are fictitious and any similarity to or identification with the location, name, character or history of any person, product or entity is entirely coincidental and unintentional.

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